開発ストーリー
大学の研究室から、そして産学共同ベンチャーへ
北海道大学電子科学研究所石橋晃教授は太陽電池などの研究のためのクリーンルームを必要としていた。
従来のクリーンルームは何層にも重ねたフィルターで目詰まりが多く、そこで石橋晃教授は新たなクリーンシステムを考案した。
外気を取り込むのではなく空気を数回内部で循環させれば高い清浄度が得られ、フィルター交換も不要となる。
このシステムを更に研究、開発するために大学発ベンチャー「シーズテック」を設立。
「シックハウス症候群」の対応を得意とする札幌の地元企業飛栄建設の松田と知り合い、「空気をきれいにする」という両者一致した目的のため、連携、共同開発を開始した。
住宅の一部屋を丸ごとクリーンルームにするシステムを共同開発。
札幌市内の学習塾などで採用される。
コロナ対策に安心して診療をできるクリーンシステムはないかという病院医師からの相談を受け、仮設で組み立てられるクリーンルームを開発開始。
4月に内閣府、厚生労働省、消防庁による「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」という通達が発せられ、避難所における、発熱、咳等の症状が出た者のための専用のスペースの確保が義務づけられる。
病院、診療所などで建築を伴わない仮設で組み立てられる「簡易クリーンブース」を販売。
市立札幌病院、国立病院機構 北海道医療センターに採用され、医療関係者から高い評価を得る。
そして、前年4月の内閣府、厚生労働省、消防庁による避難所における、発熱、咳等の症状が出た者のための専用のスペースの確保の義務を天災と共に生きていかなくてはならない日本人の共通の課題と強く認識し、感染症まん延防止対策用クリーンルーム『CAQLEA-カクリア-』」の開発を進め、7月にエコアース株式会社から販売開始。